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社員座談会

電子機器メーカーからデジタル時代のIoTメーカーへ

ティアンドデイは2024年に創業から39年、主力製品であるおんどとりの発売開始から30周年を迎えます。
今でこそ毎年約10万台のおんどとり関連製品を出荷していますが、創業当初から自社製品であるおんどとりを製造販売していたわけではありません。
そこで、おんどとりを開発するに至った経緯や、おんどとりという名前の由来、 ティアンドデイの製品開発に対する考え方やその想いを掘り下げてみたいと思います。

Talker

ファシリテーター

村山 洋介

Yosuke Murayama

取締役
CX推進部部長

鈴木 亮太

Ryota Suzuki

取締役

保木 大典

Daisuke Hoki

プロダクトエンジニアリング部

市川 雅之

Masayuki Ichikawa

プロダクトデザイン部

佐藤 太朗

Taro Sato

元々はグループ企業の
FA部門として始まった

まずはティアンドデイの歴史からひも解いていきたいと思います。

村山

ファシリテーター

ティアンドデイは2024年で創業から39年になりますが、創業当初から自社製品を販売するメーカーだったんですか?

鈴木

取締役
CX推進部部長

我々は1986年に創業した会社ですが、元々はグループ企業である高山理化精機株式会社の、FA部門(ファクトリーオートメーション)として始まりました。
その頃は受託で製品の注文を受けて、それを作って納める仕事が多くて、例えばスキー競技用のレースタイマーと呼ばれる機械などを作ったりしていました。
 その後に高山理化精機から独立してティアンドデイという会社になってからも、最初にやっていたのは受託開発で、検査機とか大型冷凍庫の温度管理のための回路であるとか、そういったものを作ったりしていたんですけれども、そういうのって基本的にお客様から、こういうのを作ってほしいって言われてそれを作って納めるっていう、1点物の少数製造のような形でした。
これが初期のティアンドデイの業務になります。

村山

ファシリテーター

旧社屋には車屋さんのようなガレージがありましたよね?

鈴木

取締役
CX推進部部長

ティアンドデイの社員は車好きの人が多いっていう特徴があるんですが、その関係か、車から色々なデータを取り出してそれを記録するっていうロガーであるとか、あとはターボタイマーや、ブーストコントローラーのような制御系の機器(車のアフターパーツ)っていうのも作ってきました。

元々はグループ企業の
FA部門として始まった

社員が安心して働き続けられる、
安定した基盤を

社員が安心して働き続けられる、安定した基盤を

村山

ファシリテーター

おんどとり以外でこれは面白かったな、特徴的だなという製品はありますか?

鈴木

取締役
CX推進部部長

特徴的なもので言うと、ガス会社さんは地中や壁の中に埋まっているガス管の長さや、どういう曲がり方しているのかを知る必要があるんですが、それを掘り起こしたり壊したりせずに超音波を出して跳ね返ってくるまでの時間を計算して、どれくらいの長さであるか測定できるような機械を作っていましたね。 その結果を見るために、波形で返ってくるデータをパソコンの画面で視覚的に見られるっていうことがすごく面白いということで、その当時に使っていただいた方達には好評だったそうです。 これがおんどとりのデータをパソコンのグラフで見られるようにするっていうところに繋がっていったっていう意味で特徴的な製品だったかなと思います。

村山

ファシリテーター

自社製品の製造に舵を切ったきっかけを教えてください。

鈴木

取締役
CX推進部部長

受託開発っていうことはお客様から、こういったものが欲しい、こういった仕様でこの納期、この金額でっていうのをあらかじめ決められた状態で受けるということになるので、自社でコントロールできることは非常に少なくなってしまいます。 その形でずっと自分たちの仕事ができるかっていうと、やっぱりそれは違うのではないかと考えました。社員が安心して働き続けられるための安定した基盤が必要だったわけで、その時に自社の製品を作っていくという方向にシフトする必要があったという感じです。

コンピューターを使って人の目に見せるという面白さ

でも自由に発想して製品化していくのは面白そうですね。

村山

ファシリテーター

自社開発製品を作ろうと思った時にどうして温度のデータロガーに目をつけたんですか?

保木

取締役

先ほどの話で出てきた受託開発では、基板の開発から始まって、量産のためのノウハウ、さらにソフトウェアで見えないものをコンピューターを使って人の目に見せるという面白さに気付かされました。それらの要素が積み重なってきて、組み合わせるとなんかいいものができるんじゃないかって考えて。
じゃあその見えないものは何を見せればいいのって考えた時に、あんまり変なものをやったとしても、たくさんのお客さんが使ってくれるわけではないので、身の回りにある一般的なもので見えたら便利なものって考えた時に温度になりました。
その時の温度が見えるものはあったんですが、時系列になって見えるものってなかなかなくて。
グラフでどう変わってきたかっていうのが見えるということが面白いんじゃないかっていうのがあって。
そこで今までの要素を組み合わせて温度のロガーを作ったら、「これは面白い」と思ってくれるお客さんもいるんじゃないかっていうことで始まったんです。

村山

ファシリテーター

ということは、おんどとりという名称は温度のデータロガーだからですか?

保木

取締役

私も最初はそのイメージが強かったんですが、「おんどをとる」っていう日本語は、温度ではなく人の先頭に立って音頭を取っていく、リーダーシップをとっていくっていう意味です。
そっちが主な意味で、その上で、温度も取るから“おんどとり”っていう洒落です。

コンピューターを使って
人の目に見せるという面白さ

時代に合わせて変化していくおんどとり

時代に合わせて変化していくおんどとり

おんどとりが発売された30年前はパソコンを持ってる人は少なかったと思います。

村山

ファシリテーター

初代おんどとりはどのような製品だったんですか?

市川

プロダクトエンジニアリング部

初代おんどとりは2チャンネルの温度測定ができて、1チャンネルにつき4095データの保存ができて、単4電池2本で約3か月動作させることができました。パソコンとの通信はシリアル通信で、当時サポートしていたパソコンがNECのPC98でした。 そこに挿すインターフェースっていうのがD-subの25ピンっていう大きいコネクタだったんですね。その後DOS/Vがどんどん普及してきたので、D-sub9ピンに変わっていきました。

村山

ファシリテーター

今のものよりもデータの保存容量も少ないし、電池寿命も短かったのですね。
最新のものは無線LANに接続ができたりBluetooth接続できたり、すごく進化しましたね。

市川

プロダクトエンジニアリング部

無線式のおんどとりが出たのが1990年代の終わりくらいですね。
それまではパソコンとおんどとりは一対一でシリアル通信させていたんですけども、
そこに親機が入ることによってパソコンと親機はシリアル通信するんですが、親機とおんどとりの子機が無線通信できるようになりました。
これによって、おんどとりをパソコンのところまで持ってこなくても、親機の電波の届く範囲内であれば無線で通信することができるので非常に便利になりました。
2000年の初め頃に、今度はパソコンとおんどとりをLANで通信するためのLANアダプターが開発されました。
これはシリアル通信とLAN通信を変換するアダプターで、これをパソコンとおんどとりの間に設置することで、シリアル通信のおんどとりをLAN経由で操作できるようになりました。
2000年代中頃には、パソコンでUSBが一般的になってきて、おんどとりにもUSB機能がついて非常に高速な通信ができるようになりました。

村山

ファシリテーター

USBの後、今度はおんどとりにウェブサーバー機能が入って、ブラウザ上でおんどとりの設定とかデータの吸い上げもできるしグラフの表示もできるようになったんですね。

市川

プロダクトエンジニアリング部

その後は2009年におんどとりWebStorageサービスが始まりました。
元々有線LANの機能を持った製品がありましたが、無線LANの機能をつけたのはこの頃ですね。2010年代の後半になると、今度はBluetooth通信機能を搭載したおんどとりができました。
Bluetoothは当時どんどん流行ってきていて、スマートフォンと容易に通信ができるっていうことでおんどとりが活躍する世界がさらに広がっていった感じですね。
おんどとり製品は、初代おんどとりの機能は維持しつつ、世の中の通信インフラやメモリやBluetoothモジュールとか、半導体技術の進歩とともにおんどとりも進化させてきました。

時代を先取りして、新しい技術を取り込む

IoT製品のメーカーなのでアプリやクラウドと連携するものを作ると思いますが、アプリやクラウドの開発はどのように進むのですか?

佐藤

プロダクトデザイン部

USBもBluetoothもですけど、技術の登場と製品に取り入れるまでのスパンが短くないですか?流行ったら即取り込まれているくらいな感じがしますね。

鈴木

取締役
CX推進部部長

実際の技術が出てきた時はちょっと前だったりするんだけど、世界でその技術が受け入れられた時に、おんどとりにその機能を入れてもいいんじゃない、というような見極めは早いんじゃないかな。

保木

取締役

出たばっかりの本当に最新状態っていう時は、不安定な状態っていうのも結構あるんですよ。 USBとかも最初はそうだったんだけど、そういう時は研究の期間にあてて技術が安定し始めたなっていう時に製品が出るっていう、そういうタイミングですね。

鈴木

取締役
CX推進部部長

世の中の誰かが、その機能がついていたらいいのになと思った時におんどとりはもうやってるじゃんっていう製品が多かったかな。

村山

ファシリテーター

今でこそクラウドへのデータ送信なんて当たり前のことですが、我々がおんどとりWebStorageサービスを開始した2009年頃、温度データをクラウドに送ってどうするの?なんて言われた時期もありましたよね?

保木

取締役

まず、2009年がどんな時代だったかっていうのを思い出してみると、ちょうどドコモ社のiモードが全盛期を迎えている頃ですね。
iモードを持ってない人は携帯持ってないのと一緒みたいな、そういう時代でした。その当時はiPhoneとかAndroidのバージョン1とかが発表になっていて、iPhoneは3GSが販売開始になった頃かな。そういう時代だったので、インターネット上でデータをやり取りするっていう文化はもうすでに広まっている状態です。
だけど、それはやっぱりインターネットを使っている人たちの中の常識であって、クラウドっていうワードはIT企業の中でもまだまだ一般化していないぐらいの状態だし、IoTっていうか、機械そのものがインターネットと通信するっていう考えはなくて、サーバーとパソコンが通信するっていうようなものがほとんどだった時代でしたね。
ウェブのサービスで無料サービスっていうのは他の業界にはもちろんあったんだけど、そもそも機器が計測したデータをインターネットにあげるっていう文化はまず間違いなくなかったと思います。
目に見えないものを計測して、どこかにアップロードしてそれを可視化するみたいな、そういうサービスの概念自体があまりないような時代です。
ティアンドデイは目に見えないものを見えるようにして、面白い製品だったらいろんな人が使ってくれるよねみたいな、そういう形でものを作ってきたわけだから、インターネットの世界でプラットフォームを広げて、そこで使ってもらえたらもっと面白くなるよねって考えて。
いざやろうってなった時に、有料だったら使ってくれる人が少なくなるし、ティアンドデイの製品らしくないなっていうのがあったので、まずは無料で、おんどとりを使うとこんなことができるんだよっていう世界を見せてあげれば、それに興味を持ってくれてる人たちが増えるからその上で次のこと考えればいいと考えました。

時代を先取りして、新しい技術を取り込む

新しい技術にアンテナを張って製品に取り込み、
ちゃんと世に送り出せる

新しい技術にアンテナを張って製品に取り込み、
ちゃんと世に送り出せる

我々の製品開発のプロセスについて

村山

ファシリテーター

まずは我々が面白いなと思ったものを作り、それをショーケース的に見せる。 これが面白いと共感を得ることができれば、あとはお客さんがどんどん世界を作っていってくれるというイメージだと思いますが、新製品を開発するにあたって、誰がどんな観点で企画や開発を進めていくんですか?

佐藤

プロダクトデザイン部

プロダクトアウトとマーケットインっていう概念が対比であると思うんですけど、ティアンドデイはものすごいプロダクトアウトよりの会社だなって感じます。
それは、市場にニーズがあるかどうかを検証しきらずに自分たちが世に出したいものを出すっていうやり方だと思うので、売れるかどうか、流行るかどうかって博打な面があると思います。
その一方で、Bluetoothや新しい技術の規格が一般に広く受け入れられ始めたぐらいの時にはもう機能として取り込んでいる。
ちゃんとアンテナ張って、そういうデバイスやロガーを欲している人がこのタイミングで、こういうのを使ってみたくなるに違いないっていう感度がしっかりしてるから自分たちが作りたいものを作っても受け入れられているんじゃないかなって感じました。

10年くらい前に、ITの業界でIoTって言葉も流行ってクラウドも流行って。
データをこんなに簡単にネットの領域に溜められますみたいな見せ方ってIT業界の人間はできていたんですけど、IT業界の人間はセンサーを持っていないので、 結局場所は用意したので皆さんなんとかして使ってください、ってそういうサービスがいっぱいあった。
かたや、デバイスやセンサー業界の人達は、クラウドっていうのがあるらしくてネットにデータを送って溜めるみたいなことをやりたいとは思うんだけど、今まで触れたこともないしどうしたらいいのかわからないというように、そこには溝があるみたいな印象を持っていました。
協力すれば絶対いいことあるのに、お互いに接し方がわからない状態。
そんな中でティアンドデイは、自社製品を持っていて、通信方式とかクラウドに対するアンテナもちゃんと張ってて、自社製品をネットに繋げるっていうことに最初から取り組めてるっていうのが、先をいけてる主な理由なんじゃないかなって思いました。
新しいニュースに対して興味を持ってアンテナを張ってる人間が社内にいて、それをいざ製品に取り込むっていう時に及び腰になったり、チャレンジを阻害されるようなことがなくて、ちゃんと世に出せるっていうのが強みかなって思いますね。

三十年前や三十年後のデータでも、大事に守っていく

製品開発に対する変わらぬ想い

村山

ファシリテーター

おんどとり製品の30年間の変遷を聞いていると、その時々の通信網や新しい技術を取り込みながら製品を作っていくようですが、当時から変わらない想いや製品作りで一貫して大切にしてることはありますか?

保木

取締役

ティアンドデイが作ってるものって、新しい技術を取り入れているように見えるんですけど、実際には新しい技術をよく見定めて、その上でこの技術はみんなに受け入れられるよねっていう技術だけを取り込んでいて、できるだけ多くのお客さんに使ってもらえるようにしてるんですよね。
こなれた技術をうまく取り込んで、その時代に合ったように見せているっていう。
あまり複雑なものを提供しちゃうとお客さんが使ってくれないので、長く使おうと思ってもらえるもの、余計なものはできるだけ入れないっていう、そういう方針です。
お客さんが、この機能は便利だと思うけどどう使ったらいいのかわかんないみたいな、そういう迷うような要素はできるだけ入れないようにしてるんですよね。

村山

ファシリテーター

データは不変である、30年前のデータだからもう見る術がありません、ということではなく、今も、これから30年後のデータも、ちゃんと同じように見られる、大事なデータとして扱えるんだよってところも、ティアンドデイのポリシーですよね?

保木

取締役

うん、頑張ってやってるね。
そこはロガーが守らなきゃいけない一番大事なところ。

三十年前や三十年後のデータでも、
大事に守っていく

便利で、「ないと困る」のところにすっと入っていくような製品を

次の30年、50年後に向けて

村山

ファシリテーター

ティアンドデイは今後どのような会社になっていきたいと考えていますか?

鈴木

取締役
CX推進部部長

最初は受託でやっていて、おんどとりっていうものが生まれてからは、ずっとデータの確かさと、温度っていうものに代表される普遍的なものを扱ってやってきて、今まで30年やってきたものをここから先30年経っても、私たちが後続に繋げていくような形で守っていかなきゃいけないものだって思ってます。
その中でどんどん時代も変わっていくでしょうし、まずは我々でどういうものが出たらこの世の中が便利になるのだろうとか、ユーザーさんたちのニーズを自分たちが導いていくようなものを作っていけたらいいですね。
おんどとりはティアンドデイのメイン製品でもあって、代名詞みたいになってますけれども、データロガーっていうものにこだわる必要もないと思ってます。
おんどとりが生まれた時や、それ以外の面白い製品を作ってきた時のように、自分たちが面白いと感じて、お客さんにも面白がって使ってもらえるような、「こんなのあるじゃん」「これいいじゃん」って使ってもらえるようなものを開発していくように頑張っていきたいです。

保木

取締役

やっぱりおんどとりっていう製品自体はこれだけ世の中のお客様にとって役に立つ製品になっているわけだから、大事にしてきたスタンスは変えずに、でも時代に合わせた変化は必要だと思うけど、目新しさだけを取り入れて変なものを作ってお客さんをがっかりさせないっていうのは大事だし、ちゃんとしたものを、これは面白いですよねっていうものを出していくっていう、そのスタイル自体は変えなくてもいいと思います。
おんどとりを作ったように、今ならばさらにいろんなノウハウがたまっているから、「あ、これだったらなんかちょっと使ってみたいね」って手に取って長く使ってもらえるような製品を作って、また違う業界でも音頭が取れるといいなと思うよね。

佐藤

プロダクトデザイン部

エンジニア視点からすると、新しい技術って面白いから使ってみるんですけど、
でも、面白いと便利の間って結構溝があって。
面白いものって飽きるんですよ。
でも便利だなって思ったものって使うのをやめないんですよ。
飽きる、飽きないのラインに乗っちゃうと多分長続きしないと思います。
おんどとりって、便利で「ないと困る」のところにすっと入っていくからずっとあるんだと思っていて。
自分の好奇心を満たして終わりじゃなくて、「これあったらもう一生使うわ」みたいなものを見つけられたら面白いかなと思いますね。

面白くて便利、さらには、これなんか好きっていう気持ちを持ってもらえるような製品をこれからも作っていきたいですね。

便利で、「ないと困る」のところに
すっと入っていくような製品を

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